docomomo100選の今

docomomo(ドコモモ) 1988 年に設立された国際組織

ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement)
モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織
現在のリスト(2022年)


ドコモモは、20 世紀の建築における重要な潮流であったモダン・ムーブメントの歴史的・文化的重要性を認識し、その成果を記録するとともに、それにかかわる現存建物・環境の保存を訴えるために、オランダのフーベルト・ヤン・ヘンケットの提唱により、1988 年に設立された国際学術組織。
ドコモモ本部(DOCOMOMO International)は当初オランダ(アイントホーヘン、デルフト)に設置され、いくつかを移動し、現在はオランダ(デルフト)に本部が置かれている。近代の建築に関するユネスコの世界遺産選定の動きに関連して、ユネスコから協力依頼されている。

DOCOMOMO 憲章(アイントホーヘン・ソウル宣言)

1990 年の設立大会で採択された。その目的は以下のとおりである。

  1. モダン・ムーブメントの建築に関する重要性を、一般市民、行政当局、専門家、教育機関に広めること。
  2. モダン・ムーブメントの建築作品の調査を進め、学術的価値を位置づけること。
  3. モダン・ムーブメントの建築、環境群の保存とリユース(再利用)を推し進めること。
  4. モダン・ムーブメントの貴重な建築作品の破壊と毀損に反対すること。
  5. 保存とリユース(再利用)に対する適正な技術や手段の開発と専門知識の伝達を行うこと。
  6. 保存とリユース(再利用)の調査のための基金の調達を図ること。
  7. モダン・ムーブメントという過去の挑戦に基づいて形成された建築環境を、将来に継承すべく持続可能なものとして探求しながら、新しいアイデアを展開していくこと。

DOCOMOMO Japanは、DOCOMOMOの日本支部

1998年(平成10年)に日本建築学会歴史意匠委員会の下に設けられたDOCOMOMO対応ワーキング・グループにおいて、日本の近代建築20選(DOCOMOMO 20 JAPAN)を選定
2000年(平成12年)1月から神奈川県立近代美術館等で展覧会を開催。同年9月、ブラジリアでのDOCOMOMO総会において、アジア地区で最初の支部として正式に承認された。
2003年(平成15年)には、「DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築」を選定したのをはじめ、展覧会の開催等、日本の近代建築の再評価のための活動を行うとともに、取り壊しが予定される近代建築について保存要望書を提出する等の保存活動に取り組んでいる。
2005年(平成17年)度から2009年(平成21年)度、さらに2012年(平成24年)度以降は毎年選定建築物を追加しており、2022年(令和4年)8月時点で264選となっている。

現在のリスト(2022年)

旧日向別邸 docomomo 36 (1936年)